
さきです。
私の言葉のレパートリーは、「へえー」「すごーい」「そうそう」の全3種類で、最近「なるほど」が加わった。実にしゃべらない人間なのである。そんな私に、結婚式のスピーチをしろ、というのだから、友達も大した度胸をしている。「いいのか?!私で?」と何度も尋ねたが、「いいよいいよ。一言でもいい」と言うので、感動して引き受けた。
今回の新しいチャレンジは、DVD制作。
家族が「あんたは、なんて言ってるか聞き取れん!」と、毎日のように言うので(失礼だ)、映像で字幕を流しながら、読んでやる!と式前日に思いついたのだ。本番まであと12時間。まずは、DVD編集ソフトを見つけなきゃ。それからお絵描きソフトもマスターしなきゃ。原稿にかかりっきりで、下準備なんかできなかったから、全て1からのスタートである。超特急で説明書を読み、基本を押さえた。凝ったものはできなかったけれど、文字とイラストと音楽をいれて、自動でめくっていく紙芝居風にして、午前5時に出来上がり。
あわてて結婚式会場に到着すると、幼なじみの花嫁さんが、白むくを着て、お人形さんのように立っていました。テーブルの名前カードの裏には、「さきちゃんの存在もあったから、福祉の道に進んだ」というメッセージ。なんだか胸がいっぱいになってしまうのでした。
外にいる時は、呼吸器がないために、飲み込む力もかなり弱くなっているので、いつもドリンクで済ませるのですが…。今回は、そんな私のために、別の料理が用意されていて、一同びっくり。例えば、みんながビーフステーキの時、私はビーフシチューとか、フルーツポンチの代わりにゼリーとか。もうおいしくて、食べるのに一所懸命でしたから、スピーチの番は、あっという間にやってきました。
緊張のあまり酸欠を起こし救急車で運ばれては、元も子もない!と、ガブガブ飲んだお酒も功をそうして、私、ちょーリラックス!でもまあ、喋るとすぐ口が疲れてくるので、途中でナレーターさんにバトンタッチしましたが、その代読のうまいこと、うまいこと! DVDのスピードに合わせ、長い4分45秒を走り抜けてくれました。涙なくしては語れない作品でした。いやー、感動。
そんな自己満足の中、スピーチも終わり、またご飯を食べ始めると…。私は、瞬く間に、氷川きよしも驚く、おばちゃん達の人気者になってしまったのです。走ってやって来た新婦のお母さんは、私の背中をポンポンたたきながら、言いました。(痛い)
「さきちゃんが、あんなにミエ(新婦さん)のことを思ってくれているなんて、おばちゃん感激よ!それなりにきれいになったわね!」
いや、それなりって何!?と思った。
今までツン!としていた隣のおばちゃんも、急に馴れ馴れしく声をかけてくる。
「スピーチ、とても感動しました。旦那さんも嫉妬するくらい、愛がつまってたわ!隣にいるのはお姉さん?」
お母さんだよ!!めがねをかけて、ちゃんと見てほしい。
強烈だったのが、皆で写真を撮る時、突如現れた、第3のおばちゃん。私は、隅で静かに写るのが好きだ。しかし、そうはさせてもらえなかった。
「そんなところじゃダメ!!さきちゃんは、大好きなミエちゃんの隣に来るのよ!ほらほら、さきちゃんここよ!」と、大声で叫んでいる。花嫁と私、苦笑い。もう、泡になって消えてしまいたかったです…。
やっぱり新婦さんを褒めすぎたのかしら。スピーチって難しい…!!